ブルートフォース攻撃とは?危険な手口、怖い被害、今日からできる対策を徹底解説

2025年4月30日更新(2025年4月30日公開)

ブルートフォース攻撃とは?危険な手口、怖い被害、今日からできる対策を徹底解説
  • オンラインバンキング
  • SNS
  • ネットショッピング

など、私たちは様々なWebサービスにログインして利用しています。

これらのサービスの多くは、ユーザー名とパスワードによってアカウントを保護しています。

しかし、このパスワードを破るための代表的なサイバー攻撃の一つに「ブルートフォース攻撃」があります。

  • 「ブルートフォース攻撃って何?」
  • 「自分のパスワードは大丈夫なの?」
  • 「どうすれば防げるの?」

と不安に思っている方もいるかもしれません。

今回の記事では、

ブルートフォース攻撃の基本的な仕組み

攻撃者が使う具体的な手口(総当たり攻撃、辞書攻撃、パスワードリスト攻撃)

実際に発生しうる被害

個人ユーザーとサービス提供者の双方が取るべき効果的な対策

までを詳しく解説します。

この記事を読んで、ブルートフォース攻撃の脅威からあなた自身やあなたのサービスを守るための知識を身につけましょう。

ブルートフォース攻撃とは?

ブルートフォース攻撃(Brute Force Attack)とは、特定の情報(主にパスワードや暗証番号など)を割り出すために、可能性のある全ての組み合わせを一つずつ試行していく力任せなサイバー攻撃手法です。「総当たり攻撃」とも呼ばれます。

この攻撃は、パスワードが正しいかどうかの認証結果(成功/失敗)だけを手がかりに、ひたすら試行錯誤を繰り返す点が特徴です。

理論上は必ず正解にたどり着けます。

しかし、パスワードが複雑であればあるほど、試行回数が膨大になり成功までにかかる時間は長くなります。

パスワード以外にも、Webサイトの管理画面のURLや暗号化されたファイルの解読などに使われることもあります。

ブルートフォース攻撃の仕組み

ブルートフォース攻撃は、自動化されたプログラムやツールを使って行われます。攻撃者は、以下のステップでパスワードを破ろうと試みます。

ターゲットの選定

ログインページなど、パスワード認証が必要な箇所をターゲットとします。

試行リストの作成

可能性のある文字列の組み合わせリストや、事前に準備した単語リストなどを作成します。

自動的な試行

リストに基づいて、ユーザー名とパスワードの組み合わせを自動的に入力し、ログインを試みます。

認証結果の確認

ログインが成功したかどうか(認証エラーにならないか)を確認します。

試行の繰り返し

認証が成功するまで、リストの次の組み合わせを試行し続けます。

この試行プロセスは、人間の手作業では不可能なほどの速さと回数で行われます。

ブルートフォース攻撃だけじゃない!関連する攻撃手法

ブルートフォース攻撃と関連性が深く、アカウント乗っ取りに使われる代表的な攻撃手法には、以下のものがあります。

辞書攻撃 (Dictionary Attack)

  • 辞書に載っている単語
  • よく使われるパスワードのリスト
  • 過去に漏洩したパスワードリスト

など、推測されやすい文字列のリスト(辞書ファイル)を使ってパスワードを試行する攻撃です。

総当たりよりも試行回数は少なくなります。

しかし、多くのユーザーが安易なパスワードを設定しているため成功しやすいという特徴があります。

パスワードリスト攻撃 (Credential Stuffing)

他のWebサービスなどから流出した、ユーザー名とパスワードの組み合わせリストを使って、別のWebサービスへのログインを試みる攻撃です。

多くのユーザーが複数のサービスで同じ、あるいは似たパスワードを使い回していることを悪用します。

これは、純粋な「破る」攻撃というよりは「試す」攻撃ですが、ブルートフォース攻撃や辞書攻撃で入手したリストが使われることもあります。

関連性が高い攻撃です。

これらの攻撃は単独で行われるだけでなく、組み合わせて使われることもあります。

例えば、まず辞書攻撃で試して、ダメなら総当たり攻撃を行う、といった具合です。

ブルートフォース攻撃による怖い被害事例

ブルートフォース攻撃やそれに類する攻撃が成功すると、以下のような深刻な被害が発生する可能性があります。

不正ログイン・アカウント乗っ取り

最も直接的な被害です。

攻撃者はあなたになりすまし、アカウントを自由に操作できるようになります。

個人情報・機密情報の漏洩

ログインが必要なサイトから、

  • あなたの氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • クレジットカード情報
  • 購入履歴

などの個人情報が盗み見られたり、悪用されたりします。

金銭的被害

  • オンラインバンキングからの不正送金
  • ECサイトでの不正購入
  • ポイントの不正利用

などが発生します。

サービスの悪用

アカウントを使ってスパムメールを送信されたり、不正な行為の踏み台にされたりする可能性があります。

企業の信頼失墜・風評被害

サービス提供者側が攻撃を受け、多くのユーザーのアカウントが乗っ取られた場合、企業は信用を失い、事業継続が困難になる可能性もあります。

ブルートフォース攻撃から身を守る!具体的な対策

ブルートフォース攻撃の脅威から身を守るためには、個人ユーザー側とサービス提供者側の双方が適切な対策を講じる必要があります。

【個人ユーザー側】今日からできるブルートフォース攻撃対策

推測されにくい強力なパスワードを設定する:

大文字、小文字、数字、記号を組み合わせる。

最低でも10文字以上にする(推奨は12文字以上)。

氏名、生年月日、電話番号、簡単な単語など、推測されやすい情報は使用しない。

連続した文字(abc, 123など)やキーボード配列に基づいた文字列(qwertyなど)は避ける。

複数のサービスで同じパスワードを使い回さない

これがパスワードリスト攻撃に対する最も有効な対策です。

サービスごとに異なる、複雑なパスワードを設定しましょう。パスワード管理ツールを利用するのも有効です。

二段階認証(多要素認証)を設定する

ログイン時にパスワードだけでなく、

別の要素(例: スマートフォンへのSMS認証コード、認証アプリ、生体認証)を要求する二段階認証を設定しましょう。

たとえパスワードが漏洩しても、不正ログインを防ぐ確率が飛躍的に高まります。

不審なメールやWebサイトに注意する

これらはフィッシング詐欺の可能性があり、ログイン情報をだまし取られる手口の一つです。

ソフトウェアを最新の状態に保つ

OSやブラウザ

セキュリティソフトの脆弱性

を悪用した攻撃を防ぐために重要です。

【サービス提供者側】開発・運用で必須のブルートフォース攻撃対策

認証失敗回数の制限とアカウントロック

短時間に多数の認証失敗があった場合に、そのIPアドレスからのアクセスを一時的に制限したり、アカウントをロックしたりする仕組みを導入します。

これにより、総当たり攻撃や辞書攻撃の効率を大幅に低下させます。

CAPTCHAの導入

認証を試みる際に、人間には容易だが機械には難しい課題(歪んだ文字の入力など)を要求するCAPTCHAを導入します。

これにより、自動化されたプログラムによる試行を防ぎます。

二段階認証(多要素認証)オプションの提供と推奨:

ユーザーが二段階認証を設定できるようにし、その利用を強く推奨します。

パスワードポリシーの強化:

ユーザーに推測されにくい強力なパスワードを設定させるためのポリシーを強制します(最低文字数、使用できる文字の種類など)。

定期的なパスワード変更を促すことも有効です(ただし、ユーザーの利便性とのバランスも重要です)。

ログイン履歴の監視と異常検知:

通常のアクセスパターンと異なる不審なログイン(例: 海外からのアクセス、短時間での連続ログイン試行)を検知し、ユーザーに通知したり、追加認証を求めたりする仕組みを導入します。

WAF (Web Application Firewall) の導入:

Webアプリケーションへの不正なアクセスや攻撃パターンを検知・遮断するWAFは、ブルートフォース攻撃を含む様々な攻撃への有効な対策となります。

定期的なセキュリティ診断・脆弱性検査:

ログイン機能にブルートフォース攻撃に対する脆弱性がないか、専門家による診断や自動ツールを使った検査を行います。

ブルートフォース攻撃は、シンプルながら非常に危険なサイバー攻撃です。

特に、多くのユーザーが安易なパスワードを使っていたり、パスワードを使い回していたりすることが、攻撃を成功させる要因となっています。

個人ユーザーは、

  • 強力でユニークなパスワードの設定
  • 二段階認証の利用

などを徹底することが重要です。

サービス提供者は、

  • 認証失敗回数制限
  • CAPTCHA
  • 二段階認証オプションの提供
  • ログイン監視

などの対策を講じる必要があります。

ブルートフォース攻撃の脅威を正しく理解し、パスワード管理を徹底することこそが、あなた自身のアカウントや大切な情報を守るための第一歩となります。

この記事で得た知識を活かし、今日からセキュリティ対策を強化しましょう。

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