プログラムの実行速度を向上させたいと思ったことはありませんか?
JITコンパイルは、そんな願いを叶えてくれる技術の一つです。
今回の記事では、
- JITコンパイルとは何か
- その仕組み
- メリット
- 具体的な活用事例
について、初心者にも分かりやすく解説していきます。
目次
JITコンパイルとは?
JITコンパイルとは、Just-In-Time Compilationの略です。
日本語では「ジャストインタイムコンパイル」と呼ばれます。
プログラムの実行時に、その都度コードを機械語に翻訳(コンパイル)する技術です。
コンパイルとは?
コンパイルとは、人間が書いたプログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピュータが直接実行できる機械語に変換する処理のことです。
JITコンパイルの概念
従来のコンパイルは、プログラム全体を事前に機械語に変換するのに対し、JITコンパイルは、プログラムの実行中に必要な部分だけを随時コンパイルします。
これにより、プログラムの実行速度を向上させることができます。
JITコンパイルの仕組み
インタプリタとコンパイラの比較
インタプリタ
ソースコードを1行ずつ読み込んで、その都度実行します。
実行速度は遅めですが、開発効率が高いです。
コンパイラ
ソースコード全体を一度に機械語に変換します。
生成された実行ファイルを実行します。
実行速度は速いですが、開発効率はインタプリタに比べて低いです。
JITコンパイラ
インタプリタとコンパイラの両方の特徴を併せ持っています。
最初はインタプリタのように実行します。
実行頻度の高い部分はコンパイルして高速化します。
JITコンパイルの処理の流れ
- ソースコードの読み込み: プログラムが実行されると、ソースコードがメモリに読み込まれます。
- インタプリタによる実行: 初期実行時は、インタプリタがソースコードを1行ずつ読み込んで実行します。
- プロファイル: 実行頻度の高い部分(ホットスポット)が特定されます。
- コンパイル: ホットスポットが特定されると、JITコンパイラがその部分を機械語にコンパイルします。
- 最適化: コンパイルされたコードは、さらに最適化が行われ、実行速度が向上します。
- キャッシュ: コンパイルされたコードはキャッシュに保存され、次回以降はキャッシュから直接実行されます。
JITコンパイルのメリット
実行速度の向上
特に、繰り返し実行される部分の処理速度が大幅に向上します。
動的なコード生成
プログラムの実行中にコードを生成します。
変更することができます。
インタラクティブな開発環境
プログラムを書きながらすぐに実行結果を確認できます。
そのため、開発効率が向上します。
JITコンパイルのデメリット
初期起動時間の遅延
プログラムの起動時に、JITコンパイラが初期化されます。
そのため、起動時間が遅くなることがあります。
メモリ消費量の増加
コンパイルされたコードがメモリに保持されます。
そのため、メモリ消費量が増加することがあります。
JITコンパイルの活用事例
Java
Java仮想マシン(JVM)は、JITコンパイルを採用しています。
JavaScript
V8エンジンなど、多くのJavaScriptエンジンがJITコンパイルを採用しています。
Python
PyPyなど、一部のPython実装ではJITコンパイルが採用されています。
JITコンパイルは、プログラムの実行速度を向上させるための重要な技術です。
特に、
- インタラクティブな開発環境
- 動的な言語
で効果を発揮します。
ただし、初期起動時間の遅延やメモリ消費量の増加など、デメリットも存在します。
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