ステートレスとは?Webシステム開発で理解すべき概念を解説

2025年1月8日更新(2025年1月7日公開)

Webアプリケーション開発において、「ステートレス」という言葉を耳にする機会が増えてきました。

しかし、

ステートレスが何を意味するのか

なぜ重要なのか

具体的に理解している方は少ないのではないでしょうか。

今回の記事では、ステートレスの概念をわかりやすく解説します。

  • Webシステム開発におけるステートレス設計のメリットとデメリット
  • 具体的な活用事例

をご紹介します。

ステートレスとは?

ステートレスとは、システムが過去の状態を保持せず、各リクエストを独立して処理する方式です。

言い換えれば、システムは、以前の処理結果やユーザーの状態を記憶していません。

毎回のリクエストに対して、そのリクエストに含まれる情報のみをもとに処理を行います。

ステートレスのメリット

スケーラビリティ

サーバーを簡単に増設できます。

システムの負荷分散が容易になります。

信頼性

一つのリクエストが他のリクエストに影響を与えません。

システム全体が安定します。

障害発生時の影響を最小限に抑えることができます。

キャッシュの活用

同じリクエストに対しては、常に同じ結果が返されます。

キャッシュを活用します。

システムの応答速度を向上させることができます。

セキュリティ

セッション情報をサーバー側で保持しません。

セッションハイジャックなどのセキュリティリスクを低減できます。

ステートレスのデメリット

冗長な情報送信

毎回、必要な情報をすべてリクエストに含める必要があります。

ネットワークトラフィックが増加する可能性があります。

状態管理の複雑化

状態をクライアント側で管理する必要があります。

システムの設計が複雑になる場合があります。

ステートレスの活用事例

HTTP

Webの基盤となるプロトコルです。

ステートレスな通信方式を採用しています。

REST API

Web APIの設計原則の一つです。

ステートレスな通信を推奨しています。

マイクロサービス

小規模なサービスを組み合わせるアーキテクチャです。

各サービスがステートレスであることが理想とされています。

ステートレスなシステム設計のポイント

セッション管理

セッション情報をCookieやトークンで管理します。

キャッシュの活用

頻繁にアクセスされるデータをキャッシュに保存します。

API設計

RESTfulなAPI設計を採用します。

エラー処理

エラー発生時でもシステム全体の安定性を維持します。

ステートレスとステートフルの違い

ステートレスは過去の状態を保持しません。

対して、ステートフルは過去の状態を保持します。

次の処理に利用します。

ステートフルなシステムは、

  • ユーザーごとのカスタマイズ
  • 複雑なワークフローの実現

に適しています。

一方で、

  • スケーラビリティ
  • 信頼性

という点ではステートレスなシステムに劣る場合があります。

ステートレスなシステムは、Webアプリケーション開発において、スケーラビリティや信頼性を高める上で非常に重要な概念です。

この記事で紹介した内容を参考に、ステートレスなシステム設計に取り組んでみてください。

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