段階的開発とは?メリット・デメリット、ウォーターフォールとの違いを解説

2025年4月9日更新(2025年4月9日公開)

段階的開発とは?メリット・デメリット、ウォーターフォールとの違いを解説

システム開発の手法の一つである「段階的開発」。

大規模なシステム開発において、リスクを低減します。

早期に価値を提供するために採用されることがあります。

今回の記事では、

段階的開発の基本的な概念

そのメリット・デメリット

従来のウォーターフォール開発との違い

開発を成功させるための進め方と注意点

についてわかりやすく解説します。

段階的開発とは?

段階的開発とは、大規模なシステムをいくつかの独立した機能やモジュールに分割します。

それぞれを段階的に設計・開発・テスト・リリースしていく開発手法です。

完成した機能から順次ユーザーに提供します。

早期にシステムの価値を一部提供できるという特徴があります。

従来のウォーターフォール開発のように、すべての要件を最初に決定します。

設計・開発・テストをまとめて行うのではありません。

小さなサイクルを繰り返しながらシステム全体を構築していきます。

段階的開発のメリット

段階的開発には、以下のようなメリットがあります。

早期に価値を提供できる

完成した機能から順次リリースされます。

ユーザーは早期にシステムの一部を利用できます。

フィードバックを得やすくなります。

リスクを低減できる

小さな単位で開発を進めます。

初期段階で問題点を発見しやすくなります。

手戻りや失敗のリスクを低減できます。

柔軟な対応が可能

開発の途中で要件の変更や追加が発生した場合でも、比較的柔軟に対応しやすいです。

開発状況を把握しやすい

各段階の進捗状況が可視化されやすいです。

プロジェクト全体の状況を把握しやすくなります。

ユーザーのフィードバックを反映しやすい

早期にユーザーからのフィードバックを得て、その後の開発に反映させることができます。

投資を段階的に行える

大規模な初期投資を抑えます。

段階的に投資を行うことができます。

段階的開発のデメリット

一方で、段階的開発には以下のようなデメリットも存在します。

全体の設計が複雑になる可能性

各段階の開発が独立しています。

最終的なシステム全体の整合性を保つための設計が複雑になることがあります。

インターフェースの調整が必要になる

  • 各段階で開発された機能間の連携部分の設計
  • テスト

に手間がかかることがあります。

開発期間が長期化する可能性

段階を重ねるごとに調整や統合作業が発生します。

全体の開発期間が長期化する可能性があります。

初期段階で全体像を把握しにくい

ユーザーや開発チーム全体が、初期段階で最終的なシステムの全体像を把握しにくいことがあります。

管理が煩雑になる可能性

複数の開発段階が並行して進む場合。

  • 進捗管理
  • リソース管理

が煩雑になることがあります。

段階的開発とウォーターフォール開発の違い

項目段階的開発ウォーターフォール開発
開発の進め方機能を分割し、段階的に設計・開発・リリース全ての要件を最初に決定し、まとめて設計・開発・テスト
リリース頻度比較的高い最終段階までリリースされないことが多い
変更への対応比較的柔軟変更に弱い
リスク管理初期にリスクを発見しやすい後期にリスクが顕在化しやすい
ユーザーの関与早期からフィードバックを得やすい後期までユーザーの関与が少ないことが多い

段階的開発の進め方と注意点

段階的開発を成功させるためには、以下の点に注意して進めることが重要です。

適切な機能分割

システムを独立性の高い、意味のある機能単位に分割することが重要です。

明確なインターフェース設計

各段階で開発される機能間のインターフェースを事前に明確に設計しておく必要があります。

全体アーキテクチャの確立

初期段階でシステム全体の基本的なアーキテクチャを確立します。

各段階の開発がそれに沿って行われるようにします。

継続的な統合とテスト

各段階で開発された機能を定期的に統合します。

テストを行うことで、早期に不具合を発見しましょう。

品質を確保します。

ユーザーとの密な連携

各段階のリリースごとにユーザーからのフィードバックを積極的に収集しましょう。

その後の開発に反映させます。

適切なプロジェクト管理

各段階の進捗状況を適切に管理しましょう。

遅延や問題点を早期に把握し、対応します。

段階的開発とアジャイル開発の関係性

段階的開発は、アジャイル開発の考え方と親和性が高いと言えます。

アジャイル開発も、小さなサイクルを繰り返しながら開発を進めます。

早期に価値を提供します。

ユーザーのフィードバックを重視する点では共通しています。

ただし、アジャイル開発は、より柔軟で変化への対応力を重視します。

対して、段階的開発は、ある程度計画に基づいて段階的に開発を進めるという点で、より計画的な側面が強いと言えます。

段階的開発は、大規模なシステム開発において、リスクを低減します。

早期に価値を提供するための有効な手法です。

メリットとデメリットを理解しておきましょう。

適切な進め方と注意点を守ることで、プロジェクトの成功に繋げることができます。

システムの特性やプロジェクトの状況に合わせて、最適な開発手法を選択することが重要です。

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