ECサイト運営者の皆様、日々の運営お疲れ様です。
オンラインでの取引が増えるにつれて、残念ながら不正アクセスや情報漏洩のリスクも高まっています。
お客様の大切な情報、そして皆様のビジネスを守るために、強力なセキュリティ対策は不可欠です。
その鍵となるのが「トークンアプリ」を利用した二段階認証です。
「トークンアプリの登録方法が分からない」
「何から始めれば良い?」
というECサイト運営者様向けに、今回の記事では
- その必要性
- 具体的な登録・設定手順
- よくある疑問
までを分かりやすく解説します。
安全なECサイト運営のために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ECサイト運営になぜトークンアプリが必要?セキュリティの重要性
ECサイトは、お客様の個人情報(氏名、住所、電話番号など)やクレジットカード情報、売上情報など、非常に機密性の高い情報を扱っています。
もしこれらの情報が不正アクセスによって漏洩した場合、お客様からの信頼失墜はもちろん、損害賠償問題に発展する可能性もあります。
パスワードによる認証だけでは、パスワードリスト攻撃や総当たり攻撃などによって突破されるリスクがゼロではありません。
そこで必要となるのが、「多要素認証」の一つであるトークンアプリを利用した二段階認証です。
トークンアプリを使うことで、「パスワード」という知識情報に加え、「手元のスマートフォン(トークンアプリ)」という所有情報を組み合わせることで、アカウントのセキュリティを飛躍的に向上させることができます。
特に、以下のECサイト関連アカウントにはトークンアプリなどによる二段階認証設定を強く推奨します。
- ECサイトの管理画面
- 決済代行サービスのアカウント
- ネットバンクのアカウント
- 利用しているクラウドサービスの管理画面
トークンアプリとは?仕組みを簡単に解説
トークンアプリとは、スマートフォンのアプリ上で、一定時間(通常30秒〜60秒)ごとに新しい「ワンタイムパスワード」を生成するアプリケーションです。
ログイン時などに通常のパスワードに加えて、このトークンアプリが表示するワンタイムパスワードの入力を求められることで、たとえパスワードが第三者に知られてしまっても、そのパスワードだけではログインできない仕組みです。
特別な機器は不要です。
お持ちのスマートフォンにアプリをインストールするだけで利用できる手軽さから、多くのサービスで導入が進んでいます。
代表的なトークンアプリとしては、
- 「Google Authenticator」
- 「Microsoft Authenticator」
- 「Authy」
などがあります。
利用するサービスによっては、そのサービス専用のトークンアプリが提供されている場合もあります。
ECサイト関連サービスでトークンアプリを登録・設定する方法(一般的な手順)
トークンアプリの登録・設定手順は、利用するサービス(ECカートシステム、決済代行サービス、銀行など)によって多少異なります。
大まかな流れは共通しています。ここでは一般的な手順を解説します。
【準備するもの】
- トークンアプリをインストールするスマートフォン
- 設定したいサービス(EC管理画面、決済サービスなど)へのログイン情報
【登録・設定手順】
- 二段階認証の設定画面を探す: 設定したいサービスの管理画面やマイページにログインし、「セキュリティ設定」「アカウント設定」「認証設定」といった項目の中から、二段階認証(または多要素認証)の設定画面を見つけます。
- トークンアプリによる認証を有効にする: 二段階認証の設定画面で、「トークンアプリを使用する」「認証システムアプリを使用する」といった選択肢を選び、有効化を開始します。
- トークンアプリ側でサービスを追加する: スマートフォンのトークンアプリを開き、「+」ボタンや「アカウントを追加」「セットアップキーを入力」といった項目を選択します。
- サービスとトークンアプリを連携させる: サービス側の画面に表示される以下のいずれかの方法で、トークンアプリと連携させます。
- QRコードをスキャン: トークンアプリの「QRコードをスキャン」機能を使って、サービス画面に表示されたQRコードを読み取ります。これが最も一般的で簡単な方法です。
- セットアップキー(手動入力コード)を入力: QRコードが読み取れない場合などに、サービス画面に表示される英数字のコードをトークンアプリに手動で入力します。アカウント名(どのサービスか分かるように)も任意で設定します。
- トークンアプリに表示されたコードで連携を確認する: QRコードの読み取りまたはセットアップキーの入力が成功すると、トークンアプリにそのサービス用のワンタイムパスワード(6桁などの数字)が表示されます。サービス側の画面に戻り、このトークンアプリに表示されたコードを入力して「確認」「検証」ボタンを押します。
- 予備のコード(リカバリーコード)を必ず保存する: 連携が完了すると、多くのサービスでは「リカバリーコード」や「バックアップコード」と呼ばれる、一度だけ使える予備の認証コードが表示されます。**これはスマートフォンを紛失したり、トークンアプリが使えなくなった場合にアカウントを復旧するために非常に重要です。**表示されたコードを印刷するか、パスワードマネージャーなど安全な場所に保管してください。絶対にスクリーンショットでスマートフォンの内部にだけ保存する、といったことは避けましょう。
- 設定完了: リカバリーコードの保存まで行えば、トークンアプリによる二段階認証の設定は完了です。次回ログイン時から、パスワード入力後にトークンアプリによるワンタイムパスワードの入力が求められるようになります。
よくある質問と注意点
Q: トークンアプリのコードが認識されないのはなぜ?
A: スマートフォン本体の時間設定がずれている可能性が高いです。スマートフォンの設定で、時刻を「自動設定」にしてください。時間がずれていると、サービス側のサーバーが生成するワンタイムパスワードと、トークンアプリが生成するワンタイムパスワードにずれが生じ、認証できません。
Q: スマートフォンを機種変更したらどうすればいい?
A: 新しいスマートフォンにトークンアプリをインストールし直し、再度各サービスでトークンアプリの再設定を行う必要があります。サービスの二段階認証設定画面で、一度設定を解除してから再度有効化する手順になることが多いです。この際、前のスマートフォンで設定したトークン情報が引き継がれないため、必ずサービスの案内に従ってください。リカバリーコードがあれば、古いスマホがなくても再設定を開始できます。
Q: スマートフォンを紛失・破損してトークンアプリが使えなくなった!
A: リカバリーコードを保存していれば、それを使ってログインし、トークンアプリの設定を解除・再設定できます。 リカバリーコードがない場合は、サービスのサポートに問い合わせて本人確認の上、二段階認証を解除してもらう必要があります。復旧に時間がかかったり、最悪の場合はアカウントが使えなくなるリスクもあるため、リカバリーコードの保管は本当に重要です。
Q: 複数のサービスのトークンを一つのアプリで管理できる?
A: はい、Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorなどの汎用的なトークンアプリであれば、対応している複数のサービスのワンタイムパスワードを一つのアプリ内でまとめて管理できます。
ECサイト運営におけるセキュリティ対策は、もはや任意ではなく必須の取り組みです。
トークンアプリを利用した二段階認証は、不正アクセスから大切なアカウントを守るための非常に有効な手段です。
最初は少し手間を感じるかもしれませんが、一度設定してしまえば日々のログインが格段に安全になります。
今回ご紹介した手順を参考に、ぜひあなたのECサイト関連アカウントにトークンアプリを設定してみてください。
お客様に安心・安全なお買い物を提供するためにも、ECサイトのセキュリティレベルをしっかり高めていきましょう。
読了ありがとうございました!
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