ECサイト運営者が知るべきリスト攻撃対策:顧客とビジネスを守るために

2025年4月24日更新(2025年4月24日公開)

ECサイト運営者が知るべきリスト攻撃対策:顧客とビジネスを守るために

ECサイトを運営する上で、セキュリティ対策は避けて通れない課題です。

中でも「リスト攻撃」は巧妙化しており、ひとたび被害に遭えば

  • 顧客情報漏洩
  • 不正利用
  • さらにはサイトの信頼失墜

につながる深刻な脅威となります。

今回の記事では、ECサイト運営者の皆様がリスト攻撃の実態を正しく理解し、効果的な対策を講じるために必要な情報を提供します。

リスト攻撃とは?ECサイトが狙われる理由

リスト攻撃とは、他のウェブサイトなどから流出した可能性のあるIDとパスワードのリストを悪用し、大量のアカウントに対して機械的にログインを試みるサイバー攻撃です。

多くのユーザーが複数のサービスで同じ、あるいは類似したID・パスワードを使い回している現状を狙ったものです。

これらのリストはアンダーグラウンドで取引されていることもあります。

ECサイトは、顧客の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報に加え、クレジットカード情報や購入履歴など、価値の高い情報が集約されています。

攻撃者にとって格好の標的となります。

不正ログインに成功されると、

  • これらの情報が盗み取られる
  • アカウントが悪用され不正注文が行われる

などの被害が発生します。

リスト攻撃による甚大な被害事例

近年、多くの大手ECサイトやオンラインサービスでリスト攻撃による被害が報告されています。

過去には、数十万件に及ぶ顧客情報が流出し、クレジットカードの不正利用やポイントの不正交換などの被害が発生した事例もあります。

これらの事例からもわかるように、リスト攻撃はECサイトの運営継続を脅かすほどの深刻な事態を引き起こす可能性があります。

顧客からの信頼を失い、損害賠償問題に発展するケースも少なくありません。

ECサイト運営者が講じるべき具体的なリスト攻撃対策

リスト攻撃からECサイトと顧客を守るためには、多層的なセキュリティ対策が必要です。以下に、具体的に講じるべき対策を挙げます。

顧客への啓発とパスワードポリシーの強化

パスワードの使い回しの危険性を周知: ログイン画面や会員向けのお知らせなどを通じて、パスワードの使い回しが危険であることを顧客に啓発し、サービスごとに異なる強固なパスワードを設定するよう促しましょう。

パスワードポリシーの設定: 推測されやすい単純なパスワードの設定を禁止し、英数字記号を組み合わせた8文字以上のパスワードを必須とするなど、強度のあるパスワードポリシーを導入します。定期的なパスワード変更を促すことも有効ですが、煩雑すぎると顧客利便性を損なうためバランスが重要です。

多要素認証(MFA)の導入

IDとパスワードによる認証に加え、

  • SMSによるワンタイムパスワード
  • 認証アプリ
  • 生体認証

など、複数の認証要素を組み合わせる多要素認証(MFA)は、不正ログイン対策として極めて有効です。

ログイン時のセキュリティを大幅に向上させることができます。

WAF(Web Application Firewall)の活用

WAFは、ウェブアプリケーションへの不正な通信を検知・遮断するファイアウォールです。

リスト攻撃のように特定のIPアドレスから大量のログイン試行が行われる攻撃パターンを検知します。

遮断する設定を行うことで、被害拡大を防ぐ効果が期待できます。

4. 不正アクセス検知システムの導入

不審なログイン試行や通常とは異なるアクセスパターンをリアルタイムで検知します。

アラートを上げるシステムの導入も有効です。

これにより、不正アクセスの兆候を早期に発見します。

迅速な対応が可能となります。

IPアドレスによるアクセス制限・監視

過去にリスト攻撃に利用されたIPアドレスからのアクセスを制限したり、不審なIPアドレスからのアクセスを重点的に監視したりすることで、攻撃の試みを抑制できます。

ただし、 正当なユーザーのアクセスを妨げないよう慎重な設定が必要です。

ログイン履歴の監視とユーザーへの通知

ユーザー自身のログイン履歴を確認できる機能を提供したり、普段と異なる環境からのログインがあった場合にユーザーに通知したりすることで、ユーザー自身が不正ログインに早期に気づく機会を提供できます。

休眠アカウントの管理

長期間利用されていない休眠アカウントは、セキュリティ対策が手薄になっている可能性があります。

攻撃の標的になりやすい傾向があります。

一定期間利用のないアカウントを自動的にロックしたり、ユーザーに利用継続の意思確認を行ったりする仕組みも検討しましょう。

万が一、被害が発生した場合の対応

どれだけ対策を講じても、サイバー攻撃のリスクをゼロにすることは困難です。

万が一、リスト攻撃による被害が確認された場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。

被害状況の把握と拡大防止

  • 不正ログインされたアカウントの特定
  • 被害範囲の確認

を急ぎ、これ以上の被害が拡大しないよう該当アカウントの停止やパスワードリセットなどの措置を講じます。

顧客への通知と注意喚起

速やかに顧客に対し、被害発生の事実、影響範囲、そして今後の対応について正確かつ丁寧に通知します。パスワードの変更を強く推奨するなど、顧客自身が行うべき対応についても明確に伝えます。

原因究明と再発防止策の実施

専門家と連携し、攻撃の手法や侵入経路を詳細に分析し、根本的な原因を特定します。今回の事態を踏まえた再発防止策を徹底的に実施します。

関係機関への報告

警察や関係省庁への報告を行います。

リスト攻撃の手法は常に進化しています。

一度対策を講じれば安心というわけではなく、常に最新の攻撃動向を把握し、対策を継続的に見直していくことが重要です。

この記事でご紹介した対策を参考に、お使いのECサイトの特性や利用状況に合わせた適切なリスト攻撃対策を実施してください。

顧客の大切な情報とビジネスを守るために、セキュリティ対策は最優先で取り組むべき課題です。

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